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さらに服を掴んでいた手に重ねられた温もりに力を緩める。
「だいいち、さっきロッサも言ってたけど今回は俺のミスだし。だからお前はいつも通り堂々としてろ」
再び頬へ手を伸ばし、抓った箇所をさすりながら続けられる言葉にヴェルテを見た。
それに変わらぬ明るい笑顔を作るこいつに、適わないなと思ったおれもつられて笑う。
「お前のそういうところが好きだ」
それから靴を脱ぎ捨て、ベッドに乗り上げるおれの行動に目を丸くしてるヴェルテに、呟いて自分から唇を寄せる。
すまなかった。ありがとう。
軽く触れるだけのキスをして抱きついたおれがそう小さく囁けば、背中に回された手であやすように叩かれる。
「俺も全部ひっくるめてアズのこと好きだぜ」
抱き返されるかと思えば、おれを引き離したこいつはさらりとのたまって、驚き開いた口を塞ぐようなキスをされた。
end
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