⚠trick or treat?

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始めは面倒くさいと思ったが、なってしまえば従うまでと誘う手下と酒を片手にゲームをしていた。 しかしパーティーはとうに日付が変わっても終わる気配をみせず、おれはさすがに付き合う義理もないとこっそり談話室を抜ける。 「アズもドロップアウトか?」 「まあな。それにしても昼間はよくもやってくれたな」 おれ一人くらいと思ったが、顔を上げるとヴェルテが階段の柵にもたれていた。 二三歩近寄ればようやく気付いたらしいやつがこちらを見るので頷く。 「今更だな。俺だって犠牲者なんだしグチるなよ」 それに体を起こし歩き出したヴェルテの後ろを追いながら、思い出した恨み事をぶつけた。 けど肩越しに振り向いたやつはからからと笑って流してしまう。 「……言ってみただけだ」 そうくるだろうなと思っていたから、おれはわざとらしく大きく息を吐くとともに呟いて隣に並ぶ。
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