⚠trick or treat?

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しかしこの状況で意味など一つしかないことに気付いてしまえば、さっと顔が熱くなるのを覚える。 「ふざけるのもたいがいにしろっ」 「そういうなよ。でどうする?」 楽しげに覗き込む目を避けて体を捩るが、壁に背中を押し当てヴェルテはさらに迫ってくる。 「なに」 「だからお菓子として大人しくもらわれるか、文字通りいたずらされるか」 「っ……」 さらに意味の分からない問いかけをされ眉根を寄せれば、ますます恥ずかしくなるようなセリフを囁かれ言葉に詰まる。 このまま黙っていれば逃げられるかと思ったが、希望がないなら後者なとのたまうのに、おれはやけっぱちで前者と言い切ってしまった。
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