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あぁ、ホント食べられてる感じだな……
身体のあちこちにキスというよりやわく歯をたてられる様を、すでにまとまりのない思考は実にくだらない例えを思いつく。
「ヴェル、テ……」
それも悪くないがふといたずらしたくなり、すいと離れた身体を目で追った。
絡み合った視線に切れた息のまま名を呼んで、傾げている首に腕を回しおれは上半身を起こす。
どうしたと耳許で囁く声に答えず、ただ肩に顔を寄せる。
「アズ?」
黙っているおれに、口づけを与えつつも不審そうに伺うこいつに顔をずらして目を細めて笑みを浮かべた。
おれがこれからしようとしていることを悟らせないように。
そのおれの笑みをどうとったのかわからないが、とりあえず額にもキスをして抱き寄せるので再び肩口に唇を押し当てる。
が、静かに口を開いたおれは思い切り噛みついた。
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