⚠trick or treat?

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――ヴェルテ 最初は必死に堪えようとしているのも、結局後になれば忘れたように触れる度零れ落ちる声はたまらなく色っぽい。 だからついもっと聞きたくてわざと焦らすように指で、唇で何度も細い身体を愛撫する。 「ヴェル、テ……」 ふと身体を離せば縋るみたいな視線を向けられ、見ると甘く艶のある声で呼ばれた。 なにと聞き返す前に伸びてきた腕が首に回され、起き上がったアーズリーが肩にすり寄る。 その珍しい仕草に目の前をちらつく髪や耳にキスをすれば、こちらを向いたアーズリーはうっそりと笑う。 熱に溶け欲に濡れた翡翠色の瞳は俺の感情を煽っていく。 だからまた肩に顔を寄せるこいつの身体を引き寄せた。 無言の色気にすっかり油断して。
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