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「ってぇ!?」
それでもう一回ベッドに押し戻そうとした瞬間、肩に猛烈な痛みが走り勢い余ってアーズリーを突き放す。
慌てて痛みのする場所に手を当てれば妙なぬるつきが指に絡む。
さらに肌に微かにへこみができているようだ。
「あ、血」
「おま、力いっぱい噛みつく奴がいるか」
それが歯型だと決定付けたのは、ベッドに倒れたアーズリーが口元を指で拭いながら呟いた一言で。
こちらも手を離せば指に血が付いている。
それまでのムードなど痛みで霧散してしまい呆れるも、眼下でアーズリーはしてやったりな表情をしている。
「たく、何がしたかったんだよ」
「別に、ただの思いつきだ」
もう一度ため息をついて、俺はアーズリーの腕を掴んで引き寄せ近づいた顔に問えば、しれっとした笑みを浮かべ向こうから唇を重ねてきた。
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