⚠trick or treat?

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「ハロウィンのいたずらだと思えばいいだろう」 「よくいうよ。ま、この痛みの分きっちり返してもらうがな」 触れるだけのキスのあと、いつもと違う雰囲気を漂わすアーズリーに思わず目を眇めた。 しかしくすくすと笑うのに俺もつられて軽く吹き出し、そう囁いてベッドに共に倒れ込む。 その夜はアーズリーに煽られ抑えの効かない欲ままに抱き合って、次の日の日が昇りきるまで二人で眠りについていたのであった。 そしてアーズリーがつけた歯型は予想以上に深かったらしく簡単には消えてくれず、結局一週間近く俺は誤魔化すのに躍起になる。 で、つけた本人はというと悪びれもせず、むしろ見る度どこか満足げに笑っていて、どう反応するか悩んでしまうほどだ。 でも、まいいか。 けど珍しい様子が可笑しくて、最終的にはそんな軽い感想ですますことにした。
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