寒い日には ver.1

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「早くアジトに戻ろーぜ。そんで……」 いきなりのことにびくっと肩を竦めるのも気にせず、マフラーをどかし掠めるように口づける。 そして息をのむ音さえ聞こえる距離でそっと囁いた。 ……暖かい部屋でゆっくりしよう? 少しの間のあと、言われた事を理解したらしいアーズリーはますます真っ赤になる。 さらに何か言い返したいのか口を開くも、ただ開閉を繰り返すだけ。 しまいには小さく唸るしかできないこいつにとどめににやっと笑ってみせれば、俯きながらも体を寄せてくる。 それを了承ととった俺は軽くつむじにキスを落とし、もう一度抱きしめた。 それからまた手を繋いでアジトへの帰り道を急ぐ。 end
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