寒い日には ver.2

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起きる予定など全くなかったはずなのに、ふと目が覚めてしまった。 時計を見れば針は、五時とまだ朝と呼ぶにも早い時刻を指している。 アホくさ…… 自分に呆れて二度寝を試みるも、妙に冴えた頭は眠りにつく気がないらしい。 「っと、急に寒くなったな」 仕方なく起き上がり毛布を剥げば、明け方の暖房のついていない部屋は冷え込んでいて、布団の中との温度差に俺は思わずそうこぼしていた。 身を縮めながらヒーターをつけにベッドから降りたフロアも冷たく、ほんの数歩の距離を行き来しただけで足の熱を奪っていく。 この寒さが目の覚めた原因、かな。 とりあえずシャワーか温かい飲み物でも飲めば変わるかと、パジャマの上からもう一枚上着を羽織りながら部屋をでた。
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