無自覚、自覚

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そして酒の勢いとは恐いもので。 確か全然関係のない話をしていたはずなのに。 「お前が好きだ」 気づいたときには口からでていた。 ヴェルテの驚いた顔と、自分の発言に酔いなど一気に醒めてしまい焦る。 早く誤魔化してしまわないと! 立ち上がって言い訳を言いかけたとき、不意に後ろへ肩を引かれる。 「面白いことしてるじゃないか」 「!?何する、離せ!」 見ればいつかのおれを挑発した男の仲間だ。 笑って言うところを見ると、どうやら聞かれたらしい。 最低だ。 肩の手を振り払うも、すぐに腕を掴まれる。 「あんたそうゆう趣味なんだ。へぇ~」 「うるさい、貴様等には関係ない!っ、離せ」 「いいじゃねぇかよ。つうか振りほどいて見ろよ」 ニヤニヤとしながら告げられる言葉に食いついて、振りほどこうとする。 しかし上手くいかない上にさらに揶揄かわれ、おれは唇を噛む。
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