寒い日には ver.2

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「牛乳ならあったぞ」 「んーじゃあそれ二人分温めちまってくれねぇか」 やはりキッチンへ来てもコーヒー以外のを見つけることができずにいたら、アーズリーが冷蔵庫から牛乳パックを取り出しているのでそう頼む。 「カフェオレにでもするのか?」 「いや、もうめんどいからホットミルクでいい。それにコーヒーなんか飲んだらますます目が覚めそうだ」 俺よりキッチンに立ち入らないくせに、ちゃっかり小鍋まで見つけて中身をあけながらのアーズリーが問うのに俺は首を振る。 そもそも寝付けないから飲み物を求めたのだからおかしくはないのだし。 その俺にふーんとだけ言って、コンロの火を調節したこいつはさらに食品棚を漁っている。 「お前、よく見つけられるな」 「おれの私物だからな」 何が出てくるかと思えば、茶色の小瓶が握られていた。 近づいてラベルを見ればブランデーと書かれている。
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