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「今、幸せ?」
窓の向こうで、雪がひらひらと舞い落ちていく。
薄暗い昼下がりのカフェで、目の前にいる友人は私にそう問い掛けた。
いつも笑っている彼女にしては珍しく真顔だ。その表情からは何も読み取れなくて、仕方なく答えを探してみる。
『幸せ』
それが何を指すのか、それがどのようなことを言うのかは曖昧だけれど、今の私が確かに言えるのは――
「よくわからないけれど、不幸ではないと思うわ」
正直にそう答えると、彼女は安堵したようにふっと微笑んだ。
「そう。よかった。……それだけが心配だったの」
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