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その言葉と表情に、少し不安を覚えた。
私が同じ質問をすると、彼女は一瞬だけ目を見開き、優しげに笑って答える。
「命があって、満たされた生活を送ってるはずなのに、なんでなんだろう。私は幸せとは言えないの。きっと我が儘なんだね」
事もなげに言うその顔が、私には何もかもを見限っているように見えた。
『幸せではない』なら、彼女は幸せがどんなものかを知っていながら、それを否定していると言うことになる。
不幸なのか、そういう括りではないのか。
どちらにせよ、選択肢に『幸せ』という単語がないことが悲しい。
黙って考え込む私を見て、苦笑いを浮かべ「ごめんね」と謝る彼女に私は更に頭を悩ませた。
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