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兄貴のお下がりの学ランがぶかぶかで似合わないだとか、梨子は将来お袋に似るはずだ、とか。
俺と梨子はとにかく楽しくて、もくもくとご飯を食べる兄貴をしり目に、きゃっきゃとしていた。
あの嫌そうな目付きからゆって、きっと兄貴は思春期だったんだろうな。
お袋の若い頃は、白ゆりのように可愛かったと目を細めた親父が、そっと、
今も十分可愛いが、
と付け加えた時は、こっちが恥ずかしくなってしまうほどであった。
「なれそめはー?」
俺が聞いたのか、それとも梨子が聞いたのか忘れたが、ませた発言。
ドラマから引っ張ってきたようなセリフに親父とお袋は顔を見合わせた。
そんときの親父とお袋の顔を今でも忘れない。
いや、この先も俺は忘れないだろう。
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