亡国の兵

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「ま、兵の奴らは殺すか奴隷か。お偉いさんは、晒し首って所か。一般の女やガキは奴隷や娼婦、あとは雑用。男共は肉体労働、まあ奴隷扱いだろうな。」 「……何か酷だな」 「そうか?俺はコイツらのお陰でまたこの国が栄えてありがてぇと思うけどな」 うーん。もうこの世に両親なんていねぇが、妹がいんだよな……妹が奴隷か娼婦ねぇ……。 俺より10年下の16だ。ロリコン共が妹群がってきやがる図柄なんて想像もしたくねぇや。 そんな事はさせねぇけどよ……絶対に。 「ま、そういうこったな。じゃ、俺は治療に忙しいんだ。ここもあんま広くねぇし治療が済んだなら外にでも行ってくれや」 医師に治療室を追い出されて、特に行くあてもないから、とりあえずルーシュカを散策する事にした。 テント張りの店が沢山並ぶ商店街を歩いて行く。国民皆どこか活気づいてやがるな。 ま、そりゃそうか。自分達の国が勝ったんだもんな。 そう思った所で、さっきの医師の言葉が頭をよぎった。 ……俺もあの剣を握ってなきゃ一生奴隷でコキ使われてたんかな……。 別に位を昇格したいだなんて思わねぇけど、これ以上下がりたくねぇやな。 身分差は良くねぇとか言ってるやつがいるけど、正直このご時世に見方を変えろなんて無理だと思うぜ? 皆もうおエラいさんはおエラいさん、奴隷は奴隷って見る眼も決まってるし、扱いも決まってる。 誰もそれに異論は言わねぇし、固定概念っつーもんを持っちまってんだ。
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