始まり

3/5
前へ
/29ページ
次へ
「ところで何しに来たんだ?」忘れかけてた最初の質問に戻る。 「ん?何しに来たんだっけ?君の話が長いから忘れちゃっただろ」ちょっと怒りながら言う。 帽子やは呆れながら言う。 「台本に書いてあるんだから仕方ないだろ…。それと台詞、二度と忘れるな…」仕方なくカンペを出す。 「あっ、僕に見合う帽子を買いに来たんだっけ。ということで帽子くださいな」チェシャ猫は言う。 「あいにくデブ猫に見合う帽子はない。」きっぱりと言った。 「えぇ~、それなら言わせないでよ」ぷんぷんと怒る。 (だから台本だって)帽子やは首を横に振る。 「おぃ…、客人だ。席をはずせ」帽子やはそっけなく言う。 「はぃはぃ…、僕はお邪魔ですよね。帰りますよっ」 皮肉たっぷりの言葉をいい残しヒラリと木の上に消えていった。チェシャ猫がいなくなったのを確認すると、向こうからやってきた少女に声をかけた。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加