掃除機と布団(ゴンスナック三階、栄の呼び方)

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言われたとおりに少し待ったけれど、私も手伝おうと部屋を覗いたら掃除機がとまった。 「あのさぁ、押し入れに一応布団はあるんだけどさ。 ずいぶん昔のゴンさんので腐りかけてるっつーか、俺でも使うのに勇気がいるっつーか」 白田君は掃除機をヒョイと肩に担いで、苦笑いで言った。 「え……、それは私も勇気がいるかも。 というより、クジケそう……」 私も苦笑いになった。 「あー、まあ、そうだよな。 じゃあ今の季節だったらさ、俺、布団なしでも平気だからさ。 俺の布団、使うか?」 白田君の提案に、私はしばし口ごもった。 どっちにしても“オッサン臭”が気になった。 けれども、彼は親切で言ってくれているのにオッサン臭くらい、それくらい……。 「白田君は、自分の布団の方が綺麗だと思うから言ってくれてるんだよね」
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