挿話♯1~prologue~

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朝靄の未だ晴れない深い森の中、少女――イブ・アシユフォードは独り、銃身の長いライフルを構えていた。 そのスコープから覗くのは一匹の獣、魔物だ。 少女はゆっくりと狙いを定めると、引き金を引く。 タァーーン。 渓谷に、山谷に火薬の乾いた音が木霊する。 発射された弾丸は木々の間をすり抜けると、正確に魔物の額を貫いた。 と、スコープから目を離した少女は呟いた。 「‥‥で、どうだったの?」 撃ち抜いた魔物が居るであろう方を向いたまま、少女は問いかける。 「まぁ、簡単に言うと2人は」 死んだ。少女から少し離れた岩に座る少年――ルイス・アルメルトはそう答えた。 「‥‥そう、アレは回収した?」 銀色の長い髪を揺らしながら少女は静かに問いかける。 少年は、フッ…、と鼻で笑うと。 「抜かりは無い、ちゃんと成功したさ」 と、少し嘲るように言った。 「‥‥そう、じゃあお疲れ様」 「ああ、そっちもな」 そう言うと少年は【テレポート】と唱え、どこかへ行ってしまった。 「‥‥さあ、私も帰ろう」 【テレポート】そう唱えると少女の体は白い光に包まれた。
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