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私は救急病院に運ばれ、その後精神科の病院へと移ることとなった。 親の最大限の配慮で、地元からかなり離れた、私を誰も知らない土地の病院に入院させてくれたのが、素直に嬉しかった。 そこは大きな病院で、外には、カフェテラスがあり、特別室にはホテル並みの設備もしてあった。 当時、私は反省というものを知らなかった。 その当時、十五歳。 私は自分におきたすべての難や不幸を他人のせいにした。 病院には、様々な人が入院していたが、あまり風紀はいいものではないな、と入院して三日程で悟った。 一度結婚して、独り身になった人のことをバツイチというのも初めて知った。 大麻や薬物に溺れてきた人もいて、その人達をジャンキー、シャブ中という言葉も初めて知った。 何故だか、その風紀の悪さが、私にはとても居心地が良く、初対面の人も、私の日本人のくせによくわからない発言をする癖を、(遠まわしの相手に対する皮肉である)ニコニコ笑って聞いてくれ、突っ込みを入れてくれたりした。 私は、地獄にいて、やっと救われたんだ。 皆が、きっと私を愛してくれると思い込んだ。 外出が比較的緩く、入院中は他の入院仲間と、しょっちゅうカラオケに行ったり、ショッピングをして、金遣いは荒く、親の苦労も知らずに私は今いる場所を天国か何かのように勘違いしていた。
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