霞屋―かすみや―

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「……そうでありんしたか。では、そちらの商い品を見せてもらいましょうか」 「……では、こちらを…」 薬売りは部屋の中へ、夕霧の前へ箪笥…薬箱を置いた。 カタカタカタカタ… 同時に薬箱の中から音が鳴った。 それを聞くと薬売りは笑みを深めた。 「……何の音で?」 夕霧にも聞こえたのか不審な顔をして薬箱を見る。 「さあ…。中の薬が、動いただけでしょう…」 そう言うと薬売りは一番下の引き出しを開けた。 開けた引出しからは薬特有の香りが漂ってきた。 .
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