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「……」
「……」
無言…そして、静か。
風で木が、ガサガサと揺れる音しか聴こえない。
隣をチラッと見ると、自分の足元を見て気まずそうな女の子。
座っているので、スカートが少し、くしゃっとなっている。
「………」
…相変わらず、無言。
お互い喋る気配が無いので、たまらず俺は話しかけた。
「…名前は?」
そう俺が聞くと、彼女は少し間をあけて言った。
「…美琴です」
美琴さん、か。
「俺は浩斗。まぁ一応宜しく」
一応俺も自己紹介をした。
女の子を見て、少し笑いかけて言った…が、女の子は自分の足元を見たまま。
こちらを見ようとしない。
「……」
おまけに、喋る気はないみたいだ。
微かな明かりが、彼女を薄く写している。
その姿は、なぜか…神秘的だった。
そのまま月へ向かって飛んでいくんじゃないか、と思うくらいに。
……その姿に見せられながら、俺は次の質問をした。
「…てか、なんでこんな所で寝てたの?」
「夕方公園へ来て、のんびりしてたら寝てしまってたんです…」
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