暗闇。

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10分くらいして、学校に着いた。 学校は最近建ったばっかりで、キレイな肌色の外装をしている。 校門から中に入ると、アスファルトから砂へと感触が変わる。 階段を上がり、下駄箱で上履きに履きかえようと、上履きを取ろうとした…が。 …はぁ、またか。 上履きには、汚い色をした水が溢れていた。 雑巾つきで。 私はなんのためらいもなく、自分のかばんから綺麗な上履きを取り出し、ゴトッと地面に置き履いた。 「チッ。履けよ」 声の主は、女の子の集団の、リーダー的存在。 紗弥華(さやか)。 私を見下すように、多分ガムか何かを噛みながら、見ている。
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