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……履くわけないじゃん。
馬鹿じゃない。
心ではそう思っているけど、声に出せない。出さない。
出したって、意味のないことなのだから。
私は紗弥華を無視し、灰色の廊下を俯きながら歩き、教室に向かった。
教室の扉を開けると、紗弥華の率いるグループが大声で笑っていた。
ギャハハと話していた紗弥華率いるグループは、扉が開いた音に反応し、こちらを見た。
そして私の顔を見て、クスクスと笑う。
これが私でなかったら、笑ったりしないのだろう。
私は気にしていないそぶりをして、自分の机に向かった。
イスを引いて、少し乱暴に座る。
そして自然と机に視線を向けると、机にはいつものように
【死ね】【消えろ】【学校来んな】とかの、汚く書かれた文字。
こんなの、もうなれた。
幼稚すぎんのよ。馬鹿みたい。
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