暗闇。

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私は先生が黒板に書く文字を、機械的にノートに写していた。 ノートに集中していると…私の背中に紙切れが当たった。 そしてその紙切れは、床に落ちた。 後ろを見ると、紗弥華がニヤッと笑って、紙切れを"拾え"と指で合図してきた。 私は体を斜めにしゃがませ、手を伸ばし紙切れを拾った。 …拾わないと、後々面倒なことになるから。 くしゃくしゃに丸められた紙切れを、しばらく眺める。 ……あぁ、女子ってめんどくさい。 大体書いている内容は想定できる。 眺めるのをやめ、私は紙切れを開いた。 [松枝さんへ☆ こんだけやってんのによく登校拒否なんないね、すごいよ。笑 学校来たくないなら来なくていーんだよ? てか来んな!笑] 紙切れには、ギャル字でそう書かれていた。 …来たくない。こんなところ。 けれど、高校に行かなきゃいけないから、来てるの。
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