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聖都ファリスネレトの入口の近くにある守護の塔。
元々は、使われて居ないこの塔を、改良して過せる様にした。
とても長い階段を上り、扉に手を掛け、開ける。
・・・・カチャ。
「姉さん、お帰り。」
静かに応えたから今日は抑えている方ね。
「ただいま、朱希。」
近くのソファーに座り、微笑みを絶やさない様にしていて
「また?」
「えぇ。少ないのに国境を越えて来るなんて・・・・・・死ぬ準備して来ないなんて、ダメな人達ね。」
微笑みを絶さない様にしているが、姉さんの言葉に暖かみが、全くないのが恐ろしい所だな。
「明日は榑徒に頼むから、朱希もお願いね。」
こうやって言う時は決定事項だな。
「解ったよ、姉さん。」
渋々言いながら部屋に戻っていき
「榑徒は甘いから、見ていてね?・・・・・・朱希。」
小さく呟くその言葉は、風に凪がされて行き、掻き消されていった。
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