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「お願いします。それじゃ、僕はお昼作って来ま―――」
「凱君、お昼なら予定通り私が作るわ。」
「ああ、そういえばそうでしたっけ?……って遥さん、僕のこと『凱』って……」
「その方が家族っぽいと思って。奏もそう呼んでいたんだけど、気付いてなかったの?」
全く気付かなかった。いや本当に全く気付かなかったです、はい。
「凱君って、結構鈍いのね。」
「いやあの、確かに呼び方の事は気付いてなかったですけど……」
「……そういう事じゃないんだけどな。」
「えっ、何ですか?聞こえなかったんですけど……」
「何でもないわよ。」
「???まぁ良いですけど。」
「ふふっ、それじゃ出来たら呼ぶから、ゆっくりしててね。」
「お願いします。」
「お願いされました。それじゃ。」
そう言って遥さんは部屋を出て行った。
「……出来るまでマンガでも読んでますか。」
少し前に買ってきた『黒羊』で良いかな~っと。
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