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-広大な荒れ地
地割れが起きたように罅が入ったコンクリート。
爆撃の跡のようにボロボロになったビル。
あちこちに大破した車が何台も置いてある。
ここでユウはボロボロになったコンクリートの上で目を覚ます。
「……ふぁ~」
鈍い体をゆっくりと起こし背伸びを思い切りする。
が、目の前に広がる光景に唖然してしまった。
それもその筈。
彼はかったるいながらもいつも通り授業を受けていたのだから。
「(何だ……?)」
とりあえず辺りを見回しながらも歩き出した。
歩いていると血痕のような跡を見つける。
その付近からは嗅いだこともない肉が腐ったような強烈な異臭もする。
「(なんだこりゃ……!?)」
鼻を摘み、出来るだけ息を吸わないようにする。
しばらく歩いていれば異臭の源を見つけた……
人間の死体だ。
もはや顔の原型がわからないぐらいになっている。
「(嘘だろ!?)」
ユウの体に強烈な吐き気が襲い掛かってきた。
その時だ。
不意に後ろから誰かにつかれてるような気がした。
ゆっくり振り向く……
目が白く、肉が腐った人間がフラフラになりながらも鈍器を持ちながらこちらに向かってきた。
見た感じは一言で言えばゾンビ。
それも十人以上はいる。
恐れというものがユウの頭に取りつく。
「(なんだよ……!?
あれ……!!?)」
尻餅をついて急いで後ろに下がる……
しかし、死体にぶつかり思わず止まってしまう。
その間に距離は詰められていく。
もう逃げられない。
どうにかできないのかと辺りをキョロキョロと見回す。
すると、死体が1艇のリボルバー式拳銃を持って倒れていることに気付く。
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