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クロノスは疲れた表情、ラファエルは頭にクエスチョンマークを浮かべている。
「なんで、今更学園なんですかね?学ぶことなんかないじゃないですか。」
顎に手を当て考え込む体勢になる。
「あれだろ、俺らは小学部出てないのに特例でギルドに入った。今はギルドのトップに立ってるようなもんだ。小学部すらでていないとなると国民に示しがつかないってやつだろ。」
ラファエルのほうを向き丁寧に説明をするクロノス。端から見ると先生と生徒のようだ。
「幸いにもサマナリカ学園の学園長はわしの友人じゃ。主らの正体も言っておこう。入学式は1週間後だそうじゃ。それまでに魔力制御具を準備なされ。わしの知り合いに声をかけておくからそこに行くといいじゃろう。」
「はい、分かりました。学園長は良いとして他の人には正体明かしてはいけませんよね?」
ギルドマスターに確認をとるようにクロノスが話す。
「その通りじゃ。正体は明かしてはならん。お、そうじゃ学生の魔力平均は4000~6000だそうじゃ。学園で一番高い魔力の持ち主は13000。それを踏まえて制御具を作りなされ。」
ニコニコした顔で二人に話すギルドマスター。
「では、早速その制御具技師の人に会いに行ってみます。」
二人は立ち上がりお部屋を出ようとしたが、ギルドマスターが何かを思い出したように呼び止める。
「お二人さん、これは学園が始まってからでもいいんじゃが、ギルドランクを決めといておくれ。さすがにZランクのギルドカードは出せんじゃろ。」
二人を引き止めて、ニコニコと話すギルドマスター。とても重大な話のようだが、そんな雰囲気には見えない。
「分かりました。学生のランクなど確かめてからギルドマスターに報告します。」
クロノスとラファエルは一礼し、室内を出た。
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