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本がぎっしりと詰まった本棚、物がごちゃごちゃと散乱している机。けして広くはない、だが狭くはない一室。
そこにはフードを脱いだ時空神が座っていた。
紫色の長髪を後ろでみつあみにして束ねている。歳は15,6といったところだろうか。
細身だが華奢ではない筋肉質の体。
整った顔立ち。女性は誰もが二度見するような顔。
「そろそろ1時間か。」
クロノスが呟く。
'コンコン'
「噂をすればなんとやら。」
にやりと口元が笑う。
「クロノス様、ラファエルです。」
「いいぞ、入れ。」
'ガチャ'
「失礼します。」
黄緑色のローブを着た男。いや、少年。帝の前に来ると一礼し話し始める。
「ギルドマスターに任務の報告をしに行きましたら、クロノス様を呼び一緒に来いといわれましたので呼びに参りました。」
言い終わるとまた一礼する。
クロノスは椅子から立ち上がり、ラファエルの肩をポンと叩く。
「なぁ、涼(リョウ)。二人きりのときは別に敬語じゃなくていいぜ?俺とお前の仲じゃないかよ。」
と少しため息混じりでいった。
「いやー、今は一応ワイの上司やし。何ていうか…なぁ?」
涼は緊張した面持ちから一変。気楽そうにクロノスに話しかける。
フードを取った涼は褐色の肌で耳が尖っている。
髪色、瞳の色は黄緑で短髪の好青年という印象だ。
言葉に変な訛りがあるが・・・
「おっと、千歳(チトセ)?そろそろマスターの所に行かないとどやされんで。」
涼はケラケラ笑いながら千歳に話しかける。
「おーもうそんな時間か。早く行かないと…!おい!涼そのまま部屋から出る気か!顔丸見えだぞ!」
涼はハッとして急いでフードを被りラファエルに戻る。
「ははは、ちょっとドジってしまいましたね。さぁ、クロノス様、マスター室へ急ぎましょう。」
あまりの変わりように千歳は
「その切り替わりの速さはちょっとうらやましいよ。」
といったのは誰も聞いていない。
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