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ええい! ここまで来たんだ! 何を迷っている! 当たって砕けろだ!
僕の中で戦っている“学校行け派の天使”が“帰宅しろ派の悪魔”の顔面にパンチを当て、見事打ち砕きました。
よし、学校行こう! ってか行くんなら急げ! 走らなきゃ完全に遅刻だぞ!
僕は右足に力を込め、走り出そうと思いっ切り地を蹴った。
瞬間、僕の右足は足元の砂利に取られズルッと後退した。
つまり滑った。
「あっ」と思う間も無く、僕の目の前に地面が迫る。
つまりバランスを崩した。
勢いよく地面にボディプレスをかますと、その勢いで鞄の中身が飛び出し、豪快に辺りに散乱した。
つまりコケた。
この間、ずっとスローモーションでお送りしました。
コケたのを認識すると、まず体の痛さより先に自分のイタさが身に染みてきた。
……さ、最悪だ。この醜態、どうか誰かに見られていませんように……。
「クスクス」
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