ケース1

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くそッ!!グズグズしてられねぇッ! 俺はターキーをテキーラで流し込むと、マスターに勘定を頼んだ。 「マスター!!いくらだッ?」 マスターはまたも怪訝そうな顔で、 「だからぁ…僕はマスターでもないですし、店長でもないんですって。バイトのリーダーだって言ってるでしょう…。鳥のから揚げと焼酎水割りで980円です」 と言っていたが、おそらくはカモフラージュだ。蝶ネクタイをしている人が、たいていどの小説でもマスターなのだ。 俺はくしゃくしゃの千円札をポケットから取り出し、キャッシュトレイに叩きつけた。 「釣りはいらねぇ!旨い酒をありがとぅよッ!!」 俺は急いで店を駆け出し、エレベーターのボタンを押す。 階段を急いで降りると滑ってやばいかも知れないから多少時間がかかってもエレベーターで降りるのがハードボイルドなのだ。 エレベーターが来た。 中には若いカップルいて、ほぼ密着状態でめっさいちゃついていた。しかもエレベーターのボタンの前でいちゃついてやがったからボタンが押せない。 「いちゃつくのはホテルでやりなッ!!こっちは急いでんだバカヤロウ!!」 とは言えず、ちょっとすみませんね~といいながらボタンを押した。 カップルの男に舌打ちされた。めっちゃ恥ずかしい死にたい。死のうかな?
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