40人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
小さな山あいの村の中を、川がゆったりと流れていました。
野原の中を流れているので、色とりどりの花が水辺に映りとてもきれいです。
その川の底には、大きな石がポツンと一人ぼっちで住んでいました。
何百年も何千年もたった一人きりで、さみしく暮らしていました。
ある日、激しい嵐がこの村を襲いました。
雨や風にまじって、カミナリがもの凄い音をたてています。
大きな石は不安でたまりませんでした。
たった一人で、川底でふるえながら、嵐が去っていくのを待ちました。
しかし、嵐はますます激しくなるばかりです。
天と地を引き裂くように、バリバリッと稲妻が光った瞬間、大きな石は悲鳴をあげました。
何とカミナリは、川底にいた大きな石の上に落ちたのです。
大きな石は、ショックと痛みでそのまま気を失ってしまいました。
最初のコメントを投稿しよう!