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今思えば、ひでぇ奴だよと思う。
最低だよな、俺。
で、アイツの自殺の話聞いてから一週間後。
ある講義で、『ポエストロフィック症』について勉強していた。
ポエストロフィック症というのは、顔の筋肉が固まって、全く動かなくなる病気らしい。
それで、ある事に気付いた。
アイツも、この病気だったんじゃないかって。
で、気になってアイツの家まで言ったんだ。
俺がいつも利用する駅に近く、すぐに見つけられた。
ボロアパート…。
とりあえず、101のインターホンを押す。
すると、中からはアイツの母親らしき中年女性が出て来た。
名前を名乗ると、何でか暖かく迎えてくれた。
お茶を飲む前に、俺は本題に入った。
彼は、ポエストロフィック症だったんですか?って。
母親は、はいと答えた。
俺はその時、目頭に熱いものが込み上げてくるのを感じた。
アイツは病気で、ワザと笑顔にしてた訳じゃないのに、俺は…。
最低な奴だと思った。
すると、母親は俺に手紙を渡してきた。
「拓真から。あなたにって」
それを受け取り、俺はその場で読んだ。
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