笑顔

7/10
前へ
/10ページ
次へ
『拝啓、墨田くんへ もう知ってると思うけど、僕は病気です。 顔が動かなくなる病気なんだけど、僕は笑顔のまま固まってしまって、こんな顔になってしまった。 君には、随分迷惑をかけた。 僕の顔を見て不快に思ったのかもしれない。 でも、君は覚えてるかな。 最初に話した時、逃げ出したりしてごめん。 君は僕を心配してくれてたんだよね。 とても嬉しかった。 僕はもうこの世にはいないけど、僕は君に会えて良かったよ。 さよなら。 敬具』 泣いた。 もう、これでもかってくらい、泣いた。 母親がティッシュを渡してくれた。 俺は、その暖かさに触れて、また悲しみが込み上げてきた。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加