王都

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上に上がって分かったのだが、黒ローブたちは下の路地を気にしながら移動しているようだった。辰巳もある程度近付いてから下に下りてみると、茶ローブの人物を追い掛けている事が確認できた。 「(とりあえず様子見だな。タイミングを見て参加させてもらおう)」 逸る気持ちを抑えて冷静を保ちながら尾行を続ける。 そして遂に時がやって来た。黒ローブたちが茶ローブの行く先を阻む様に立ち塞がり、更に戻り道も塞いで挟み撃ちの状態となる。 そして黒ローブたちの一人が話し始める。 「わざわざ籠から出て来てくれるとは、馬鹿な標的で助かった。その命―――」 標的という言葉が出た時点で辰巳は黒ローブたちに攻撃を仕掛ける。戻り道を塞いでいた三人の内、左の敵の後頭部を殴って気絶させてから、固まった二人を纏めて蹴り飛ばす。
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