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「此方に走れ!!」
黒ローブたちと共に唖然としていた茶ローブが辰巳の声に反応して向かってくる。
「束縛魔法は使えるか?」
「っ、はい!」
「そいつらよろしく!」
縺れ合いながら倒れている黒ローブ二人を尻目に辰巳は前方の敵二人へ駆ける。漸く動き出した敵たちは鈍く光る短剣を取り出し、向かってくる辰巳の命を刈り取ろうとする。
「(全然遅い!!殺る気あるのか!?)」
しかし、動きが素早くチームワークも素晴らしい土人形たちや魔物を相手にしていた辰巳からしてみれば全然物足りない。
一人目の短剣を手首を掴んで止めて無理矢理体勢を入れ替え、その隙に後ろに回り込んで首を狙ってきた二人目の盾にする。辰巳と同じ位だった一人目の肩から血が吹き上がり、周囲を赤く染めた。それを魔力で弾きながら一人目を気絶させる。
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