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先程までの何処か凛とした笑みとは違う、太陽の様に明るい笑顔を辰巳に向ける。どちらかというと、辰巳が好きなタイプの笑顔だ。
「俺に対しては取り繕わないのか?」
「別に親類みたいなものでしょ。だから嘘をつく必要なんてないよ」
「いや、養子なんだけど」
「細かい事は気にしないの!あ、そうだ。さっき庭園に興味持ってたよね?案内してあげるよ」
思い出した様に言うと辰巳の横に来て手を引っ張って立たせる。
「さ、行こうか!」
くるっと身を翻して扉に向かうフィーネを、内心溜め息をつきながら追う。
やたら楽しそうに辰巳の隣を歩くフィーネは今日の事件の事など忘れている様に見え、辰巳も掘り返さないようにしようと決めた。
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