王都

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~~~庭園~~~ 道はレンガで舗装され、センスの良い模様が赤と白で描かれている。道を挟んで存在する花壇には場所によって異なる草花が植えられ、見る者の心を癒す。 辰巳とフィーネは風鈴の様な白い花の近くに設置されていたベンチに座り、黙って庭園を見渡す。辰巳は良い香りに包まれながら、まるで絵画の中に入ったようだと思った。 「良い場所でしょ?」 フィーネが笑いながら静寂を破る。辰巳には、フィーネがこの風景の一部に感じられた。それほど違和感がなく、美しかった。 「思わず寝てしまいそうだな」 「あ、分かるよそれ。前さ~寝てて怒られたんだよね~」 「おいおい、そんなんで大丈夫なのかよ」 「しょうがないでしょ。こんなに気持ち良いんだから」 そう言ってフィーネは目を閉じる。
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