王都

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「すまん…………俺、明後日から旅に出なきゃいけないんだ」 「え…………?な、なんで?」 「シバ……祖父に頼まれた事があってな。だいたい一、二年帰ってこないんだ」 「そんなぁ…………それって、絶対行かなきゃいけないの?」 「俺自身も行きたいと思ってるんだ。残念だが、次に会うのは暫く後だな」 そう言うと悲しそうに顔を歪ませて俯く。その姿に辰巳は心が痛むが、どうしようもないので黙って見つめる。 「……………私さ、今十六歳なの」 「は?」 フィーネがいきなり関係ない話を始めたので呆気に取られた。しかし、フィーネは辰巳の様子を無視して話を続ける。 「縁談が多いってさっき言ったでしょ?辰巳が帰ってくる前に結婚してどっか行っちゃうかもしれないの」 「まぁそんなもんだよな」 「反応薄いわね…………。私は、それが嫌なの」
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