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起きたのは10時を大きくまわった頃、
今日は役所の人が来てくれる。
部屋を確認する為に。
最初は酷く狼狽し
それから非難を浴びせた。
今私が住む場所は
私以外からすれば
ゴミ捨て場である。
“ゴミ置き場”ではない理由は
ゴミが整頓されていないからである。
いくら手当ての為とはいえ
このような部屋を見せるということは
恥である。
その怒りのせいで
私はその日、
一日中泣きながら生活したのだ。
しかし
落ち着いてみれば
当然、私が悪い。
改めて連絡してから
現状を見てもらうようにした。
それが
一番理解できるであろう判断。
そして
片付ける自信がないという妥協。
私は今
この極端な“恥”と“妥協”の中で
何とか精神を保ち続ける。
“恥”をなくせば楽になる
病気も治るという人もいる。
しかし私は
“恥”の文化で育ち
“恥”の意識のおかげで
他人から病気を気づかれにくく
健常者のような扱いを受けられる。
子供が遊んでいる時に
1人だけ年の幼い子が混じると
その子にだけ適用される
特別ルールが誕生する。
いわゆる“ごまめ”だ。
これはあくまで
幼い子を案じて作られた
優しさととる人もいるが
私が幼い子なら
同じルールで扱って欲しい。
そうでないと
こちらが楽しめない。
ハンディキャップを与えられ
それで得た勝利は
勝利ではないのだ。
そう言いながら
私は今日
特別ルール扱いを受ける為
この“ゴミ捨て場”に
人を招くのだ。
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