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一ノ瀬とチョコ
「「先輩!!」」
「「一ノ瀬くん!!」」
俺はすっかり忘れていた
そうだ
今日はいわゆる
女性が恐い日だ
はっきり言って
興味ない女子からのチョコは
食べる気にもならない
それでも
「ありがとう」
って愛想笑いして受け取っていく
全部受け取って
教室に戻ると
また暫くして
呼び出しをくらった
今度は誰だよ…
「一ノ瀬先輩…」
それは予想外
俺の片思いの相手
新地有寿さんだったんだから
俺は人の少ないところに彼女を連れて行った
「どうしたの?わざわざ」
彼女がわざわざ
俺の教室まで来たんだ
何か重要な用事が
あるに違いない
そう思っていた
「先輩…!!ずっと、前から好きだったんです!!」
そう言って差し出したのは
バレンタインのチョコ
これもまた予想外
これはこれは―――
「降参、」
「え?」
可愛い彼女に
お手上げだ。
"俺も君が大好きだよ"
俺がみたのは
頬を真っ赤に染めた
可愛い彼女だった
終
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