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日向の妹。日影の兄。
光と闇。昼と夜。明と暗。
全て彼らに当てはめる。
故に、全て異なる存在。
等しく生きれず、
正しく生きれず、
同じく生きれず、
楽しく生きれず、
夢見て生きれず、
自由を縛られた存在。
肯定する。妹はことごとく肯定する。認めて信じて疑わず見つめて受け入れて、彼女は肯定する。
否定する。兄はことごとく否定する。認めず信じず疑って見つめず受け入れず、彼は否定する。
肯定したがる妹と否定したがる兄。
日が指す。影ガ指す。
選ばれる。選ばれず。
彼らは故に対立する。
彼らは故に反発する。
彼らは故に許容する。
彼らは故に妥協する。
彼らは故に共存する。
彼らは故に兄妹である。
日和見兄妹。日和見日影に日和見日向。
これは仲良し物語なんかじゃない。
それで良ければ始めよう。 -序章-
魔法が現実逃避の手段ではない世界がある。いや、世界になったと言うべきか。それは異界からアレが初めて来た時の話まで遡らないといけない。が、今は語る時ではない。気がする。というか面倒。
とにかく、魔法という物はこの世界では当たり前すぎる。陳腐だ。魔女狩りなんかしたら人類の9割は、楽に死ねる。魔法なんて義務教育だし。簡単な魔法なら幼稚園児でも使える。ゆとり教育なんて関係ない。ケンカにだって使われる。ありふれた日常。
魔法は自衛の手段として教えられる。理由は簡単。日常が危険だから。魔物がいる。からだ。常識だ。二十五年前、初めて異界の扉が開いた時、異形の化け物が現れた。まあ、今を生きる僕としたら、興味ないことだけど。
知っておいてもらいたいのは、僕“日和見日影(ひよりみひかげ)”も魔法使いだってことだ。
以上、自己紹介。さあ、今日の活動を始めよう。
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