始まりの詩

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 空に輝く無数の星。お月さんも今日は綺麗に見える。ウサギも張りきって餅を突いてるように見えた。  澄みきった空ってのはいいもんだ。バイトの帰り道、いつものように夜空を見上げてはそんなことを思う。 静かでのんびりしていて、段々と住み慣れてきたこの街。 栃木なんて田舎に引っ越してきたが暮らしは割りと快適だ。特に人間関係。お節介と言うか、懐っこいおばちゃんが多い。 今日もバイト先のおばちゃんに晩ごはんのおかず貰ったし。一食浮きました。嬉しい限りです。 親元を離れて、快適な大学生活を送るため、念願の一人暮らしを俺は手に入れた。 自由は素晴らしい。フリーダム万歳。一人暮らしの醍醐味を只今満喫中だ。 そんなアホな事を考えながら、自転車を走らせていると、どこからか歌声が聞こえてきた。 ……空耳か?周りには田んぼと畑しかないこんな場所で誰が歌っている? 今までこの道を通って帰っていたけど、ストリートミュージシャンなんて見たことないし。 まさか幽霊とか……ないない。ありえない。 いやいやいやいや。そんな非科学的で、オカルトとかマジで無理ですから。
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