ﾐｾﾃﾊｲｹﾅｲ｡

学校の私

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ。

ゆっくり教室のﾄﾞｱを開け
私は教室に入る。

『あっ！由里香おはよう！』

明るく声を掛けてくるｸﾗｽﾒｰﾄ。

『お…おはよう…』

ぎこちなく私は挨拶を返す。

私は決して明るいｷｬﾗではない。
少なくとも学校では。

黒縁の眼鏡をかけ、ｽｶｰﾄは膝下。第一ﾎﾞﾀﾝは締め、ﾈｸﾀｲも上まできっちりとあげている。

胸下まである髪の毛をこれでもかというくらいきっちりとみつあみにし、長く邪魔な前髪を黒ﾋﾟﾝで横にとめている。

よく言えば“優等生”

悪く言えば“陰ｷｬﾗ”
とでも言われる存在だろうか。

とてもその辺にいる女子高生とは馴染めるとは思えない。

可愛いなんて言われたことない。
ましてや告白されたこともない。

……学校ではね。