予感

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「そういえばさ、何か欲しい本でもあるの?」 「…ああ。参考書」 「また熱心な…」 普通なら尊敬するべき存在なのだろうけど、幼い頃からずっと淕と一緒に居る光紀にとったら、それが特別だとか、凄いとか特に感じなくなっていた。 幸いなことに光紀も淕ほど勉強が得意なわけではないが、それなりに出来ているというから、また不思議だ。 あれから学校から少し歩いて駅前までやってきた。 周りに立ち並んでいるのは、大きなビルや、スーパー、コンビニらしき建物。 「あっ!本屋ってここ?」 「ここ。入るか」 目的地である本屋に到着し、自動ドアを通り、中に入る。 中に入ってみると、いらっしゃいませ~。と店員だろう、関係者が出迎える声が聞こえてきた。 「光紀はどうする?」 「ん~?俺は……あ。これずっと見たかったんだよー!」 そう言いながら光紀は、新刊、という紙か何かで作られている看板らしきものが付けられていて目立つ本棚に勢いよく飛び付いて行った。 そんな光紀の姿を確認した後、あれなら時間には当分困らないだろう。と思い、その場を後にして別の場所に向かう。 場所は駅前で割りと小さめの店造りだがよく見てみれば、年代物から最新のものまで、幅広く取り揃えられてある。 「古典と英語と高校入試…参考書は…と、あった」 ずらりと並ぶ本棚から、数冊取り出す。 「…意外と早くに見つかったな」 壁に吊るされているハト時計を見つめた。
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