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どうやらあれから15分経ったらしい。
これで用は済んだ。目当てのものを見つけたので、戻る次いでに他にある本棚を見歩きながら、光紀の居る元へ向かう。
淕と光紀の他にも学生服を着た学生がちらほら見えた。
漫画や、音楽雑誌が並んである本棚の前にやって来た。丁度、見慣れたうしろ姿が見えた。そのうしろ姿に、光紀ー。と声をかける。
「最高!……うん?あ。淕!参考書?あった?」
「ん、あった」
「よかったじゃん」
「一応。まだ見る?」
「ん~、やっ大丈夫!」
「レジ並んでくるから先出てていいから」
「りょーかい」
そう言うと、淕は見つけた数冊の参考書を手に持ちレジへと向かって行った。
光紀もまた、淕の言う言葉に甘えて、ひと足先に店の外に出て待つことにした。
待つこと5分程度。
ガラス張りのドアが開く音とともに、中から人が出てきた。
「あれ?遅かったじゃん」
「悪い。急にレジが混み出して…」
眉を下げてションボリしながら応える淕。
「大丈夫~」
と、ションボリしている相手に安心感を与える為か、光紀はへらへらと笑いながら伝える。
「この後はどうする?」
「それなんだよー」
互いに、どうしようか。と考えていると、何処からかぐう~、と腹の虫が鳴いているような音が聞こえてきた。
一瞬の沈黙の後、どちらからともなく、くすっと笑いだす。
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