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光紀は、照れたような、恥ずかしいような、あはは。とハニカミながら笑う。
「じゃあ、ハンバーガーでも食べに行きますか」
「あっ俺、サンドイッチ食べたい!」
「…晩飯食えるのか?」
「う゛、う…」
さっきとは一変して和やかな雰囲気のまま、二人で軽食を済ませられそうなものが揃っているだろうと考え、ファミレスに向かうことになった。
駅前からファミレスまでは大体10分ぐらい。そう遠くはない距離だ。
家も近所で同じ学校とくれば、案外話題が出てこなかったりするものなのだが…何故だか二人は違うらしい。
光紀が何か話を始めると、淕はというとうんうんと相づちを打ちつつ、たまには相手の話の中に入っていき、逆に淕が何かを話始めると、淕と同じそれを光紀が自然と繰り返す。
幼なじみ以上に息が合う。
まるで、生まれる前から一緒にいるような、言い換えれば双子のような存在。
話が弾んだせいか、そうこうしている内にあっという間にファミレスの近くまでやって来ていた。
「ここで大丈夫?」
「んにゃ。全然大丈夫」
こくこくと頷くと淕が前を歩き扉に手を掛けた。取って近く、押すドア、と書かれた扉を押し開ける。
扉を押すと、シャララーンとなにやら金属音らしいものが聞こえた。それからもう一つ聞こえてきたのは、いらっしゃいませー。と元気のいい女性店員と男性店員の声。
ぱたぱたとアルバイトらしい小柄な女性店員が駆けてきた。
「何名様ですか?」
「二人」
と、指をピースの形して分かりやすく素早く伝える淕。
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