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それで確認したのか、こちらへどうぞ。と席まで案内してもらう。
夕飯の少し前の時間であまり人は入っていない。
「こちらで宜しいですか?」
「はい、どうも」
お礼の意味も兼ねて二人で軽く頭を下げて会釈する。
「それでは…何かご用がありましたら、気軽にお申し付け下さい。」
そう言い終えた店員は、再び持ち場である厨房の中へと入って行った。
ぴったり二人用だ。
分淕と光紀は向かい合わせで席に座る。テーブルに置かれた数冊のメニューが書かれたものを手に取る。
「光紀は…サンドイッチだったよな?」
「うん、サンドイッチ」
「じゃあ、俺はハンバーガーとアイスコーヒー。あ、飲み物は?」
「えっと、コーラ!」
「お前……コーラほんと好きだよな」
「淕は嫌いだもんなー美味しいのに」
「太るぞ」
「知ってまーす」
「ま。光紀に関してはもうちょい栄養採るべきかもな」
「うえ、なにそれ!なんか俺が栄養不足的な言い方…」
「ん?気にしたら負けるぞ」
「逃げるなよ~」
和気あいあいとした中、呼び出し音を鳴らす代わりに設置された、小さなスイッチを押す。
よくなどに家に付いてあるインターホンに似た、ピーンポーン。という音が鳴った。
数秒後、さっきの小柄な女性店員とは違う、長身の男性の店員が駆け寄ってきた。
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