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トイレから出て、席に戻るまで悶々とした気持ちになる。
さっきのは一体なんだったんだろう。さっきのあの人は何て名前で誰なんだろう。あの人はどうしてあんな質問をしてきたんだろう…と。
考えれば考えるほど、謎や疑問が深まっていく一方。
そんなことを考えている内に気付けば、席で待っている淕の姿が見えた。
「う~~ん」
唸るような声を出し自分の席に着く。
「遅かったな光紀」
「あ。淕…」
「…どうした?」
「いや…やっぱ何でもない!忘れて!」
「ふーん。まぁ、いい」
「うん!あ、で……頼んだやつは?」
「あともうちょっと」
「そうなんだ」
頼んだものを待っている間、そうやって数回ほど適度な会話を交わす。
4~5分後。
店員らしい人物が、先程、淕が頼んでおいたハンバーガーセットとコーヒー、そして光紀が選んだサンドイッチとコーラを持ってやってきた。
「お待たせ致しました…ご注文の品は、こちらで宜しいですか?」
「はい」
「それではごゆっくり」
一礼してから、また厨房の方へと戻って行く。
「俺、お腹ぺこぺこ~」
「食べるか」
「いただきまーす!」
それぞれ頼んだものにかぶりつく。夕方といえば丁度、お腹が空く頃だ。
黙々と食べ続ける。
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