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「上手かったー!」
手を合わせ、ごちそう様でした。と呟く。
「美味しかった、だろ」
「…お母さん?」
「誰がお母さんだ!日本語勉強し直せ」
「ひっどー…ん?今何時?」
「時間?…5時」
「もう5時かー、そろそろ出ようぜっ!」
「そうだな」
荷物を持ち椅子を戻す。そのまま二人でお会計を済ませるために、レジへと向う。
鞄から財布を取り出し、それぞれが頼んだ分の料金のお金を取り出して払った。
お会計を済ませた光紀と淕はファミレスから外に出た。
その後は、再び駅前近くまで戻り、ゲームセンターやコンビニなどと色んな場所に立ち寄ったりした。
時刻は8時を回った頃。
そろそろ時間も時間だし帰るか、ということになった。家の近くにある小さな公園の前で光紀は淕と別れたのだ。
「ただいま~」
家路に着くと母の雪子に光紀は出迎えられた。
「遅かったじゃない。お母さん達ご飯食べちゃったけど…何か食べる?」
「いや、大丈夫」
「そう?なら早くお風呂入ってらっしゃい」
「へーい」
母と他愛ないそんな会話をしながら、荷物を置くために一度自分の部屋へと戻ってから風呂へと向かった。
3月の上旬だとはいえ、まだ少し肌寒さが残っている。
さっきまで外に居たので湯船に浸かると、お湯の温かさに夜の風にあたり冷えていた身体が、じんわりと中から癒された。
いよいよ明日、光紀と淕はすっかり通い慣れた中学校を卒業する。
「早かったなー…」
何気なくぽつりと呟く。
「淕も高校一緒だって言ってたよな」
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